生涯通して続けられる介護の仕事
私の介護の仕事
松田千草(まつだ・ちぐさ)さん 介護職歴21年 =大野城市社会福祉協議会 介護サービスステーション=

【プロフィール】
福岡県出身。専門学校を卒業後、歯科クリニック等に勤務。平成15年にホームヘルパー2級(現初任者研修)を取得し、グループホームで勤務を開始する。平成19年に大野城市社会福祉協議会介護サービスステーションに就職。
【保有資格】
訪問介護員、介護福祉士
【キャリアアップ】
平成15年 | ホームヘルパー2級(現初任者研修)取得 |
---|---|
平成19年 |
大野城市社会福祉協議会 介護サービスステーションに非常勤として就職 |
平成24年 | 雇用形態を常勤雇用に変更 |
平成26年 | サービス管理責任者 |
子育てや持病を抱えながら自分のペースで働く

子どもの頃、祖父母と暮らしており、いつかは高齢者に関わる医療や福祉の仕事がしたいと考えていました。専門学校では医療について学び、歯科クリニックで働いていましたが、都合により、全く違う仕事に転職しました。しかし人を相手にする仕事をしたいという思いが強くなっていった矢先、友人が訪問介護員をしていたことから、この仕事について知りました。平成15年、34歳の頃に当時のホームヘルパー2級(現初任者研修)を受講し、グループホームに転職しました。4年働いた後、夫の転職をきっかけに当時住んでいた宮崎から福岡に戻り、子育てのために、時短で勤務できる訪問介護に転職することになりました。
最初のうちは「子育てが落ち着いたら、以前のように介護施設で働きたい」と考えていました。施設で他の職員と一緒に介護する環境とは異なり、基本的には一人で自宅に伺いますが、その分ご利用者と直接向き合う時間が多く、責任ややりがいを感じる仕事ということに気付きました。最初は時短でしたが、子育てが落ちついた頃には勤務時間を増やすことができ、平成24年に常勤勤務となりました。
また、33歳から持病により体調に波があるのですが、職場の方にご理解いただき、仕事量の調整や柔軟な勤務体制を組んでいただいたことも続けられた要因です。
利用者や職員との関わりの中で人間としての成長を実感

訪問介護では、身体介助や生活の支援をしますが、最初のうちは経験が少なく、利用者と関わっていく中で覚えていきました。障がいにより身体が不自由なご利用者の方に「ベッドシーツのちょっとしたシワでも、褥瘡(じょくそう)が起きることがある。なんとなくやっているかもしれないけど、プロならちゃんとしてほしい」と言われ、申し訳なく悔しい思いをしました。こういった経験の積み重ねで訪問介護員としてのベースを作っていただいたと感じています。同じ病気、同じ身体レベルでも、一人ひとり、立てる方、立てない方など状態は様々なので、利用者に寄り添った支援をしようと心がけています。
精神的に辛く感じる時は、ストレスの発散に推し活をしています。他の職員にも推し仲間がいるので、休日は融通し合いながら、お互いに自分の楽しみと仕事のバランスをとって働いています。
平成26年には、サービス提供責任者となり、訪問介護計画書の作成や支援内容の調整、ご家族への連絡などの役割を担うようになりました。利用者と職員でトラブルがあったときは、間に入って対処しています。利用者は一人だけで担当するのではなく、他の訪問介護員やケアマネジャーなどとチームを組んで支援しており、連携のための調整役をしています。目標を立ててどのような支援をするか、お互いの意見を話し合いながらやっていることに充実感を感じます。
働き始めが非常勤だったので当初は気楽でしたが、サービス提供責任者になってからは、仕事に対して自分の中で意識が変わりました。プレッシャーと責任を感じ、失敗しながらも、人間として成長できていると思います。
今、職員は40~50代中心なので、若い世代にも入ってきてほしいです。30代の職員には子育てのペースに合わせて、勤務の調整をし、継続し働いていただいています。子育てをしていた頃に、上司がフォローしてくれたように、今度は自分が子育て世代を支えたいと考えています。
自分なりの形で、地域にいる利用者への支援を続けていきたい

訪問介護はある程度仕事の調整がしやすいため、先輩方も長く続ける方も多く、元気でさえあれば、ずっと続けられる仕事だと思います。私自身も介護の仕事が好きなので、今後も続けていきたいと考えていますが、持病との兼ね合いあり、もし退職しなければならなくなっても何らかの形で地域に関わりたいと考えています。先輩の訪問介護員の方の中には、退職後に、自分たちでボランティアのグループを立ち上げて、認知症の初期の段階の方を対象に、調理教室などをされており、地域への支援を続けられています。そういう先輩方の姿に憧れており、自分なりの形で地域にいる利用者と関わっていきたいと考えています。
訪問介護事業所とは
在宅で介護を必要とする高齢者の自宅に訪問介護員(ホームヘルパー)を派遣して、日常生活の支援を行う在宅サービス。サービスには身体介護と生活援助があり、身体介護は利用者の身体に直接触れて行う介助サービスで、食事介助や入浴、排せつの介助などがあります。生活援助は、調理や洗濯などの家事、買い物などの日常生活上の援助を行います。
大野城市社会福祉協議会は、私たちのまち、大野城と市民(人)を愛することを理念としています。地域は、福祉情報の宝庫であり、その中からニーズや課題を的確に把握し、地域住民と共にその課題の解決に向けた取り組みを行い、住み慣れた地域で「安心して安全に暮らせるまちづくり」を目指しています。
施設概要

大野城市社会福祉協議会
〒836-0091
大野城市曙町2丁目3番2号 大野城市総合福祉センター
電話:092‐589-5533
URL:https://www.onojo-vc.jp/