介護は人を笑顔にする面白い仕事と伝えていきたい
私の介護の仕事 インタビュー動画
上西輝幸(うえにし・てるゆき)さん 介護職歴17年 =社会福祉法人誠光会 特別養護老人ホーム長光園=

【プロフィール】
福岡県出身。高校普通科卒業後、麻生医療福祉専門学校 北九州校(令和4年閉校)を卒業。社会福祉法人北九州市福祉事業団へ入職。特別養護老人ホームさわみ園(以下、さわみ園)に勤務。平成23年、さわみ園が社会福祉法人誠光会に譲渡されたことで、同法人のさわみ園に入職。平成31年、同法人内の特別養護老人ホーム長光園に異動。現在は介護主任。
【保有資格】
介護福祉士、介護支援専門員
【スケジュール】
8時30分 | 出勤 申し送り事項確認 |
---|---|
9時 |
巡回 |
10時 | 日勤リーダーとミーティング |
11時 |
各種委員会活動 |
13時 |
休憩 |
14時 |
カンファレンス、会議 |
15時 |
書類等作成 |
16時 |
巡回 |
17時30分 |
退勤 |
人を笑顔にすることが好きで介護の道に行くことを決める

介護の仕事を知ったきっかけは祖父の介護施設への入所です。幼い頃に靴下の履かせ方が上手いと父に褒められたことが印象に残っています。高校生で進路を決める際、介護福祉士の資格が取れる専門学校に決めました。両親や友人には介護に向いてないと心配され反対されることが多かったですが、決意は揺らぎませんでした。
専門学校の実習で、実際に利用者と関わってみると、利用者が自分との会話に笑って喜んでくださることが多く、やっぱりこの道で間違いないと確信しました。実習の最終日には滅多に泣かない私が涙したことを覚えています。
働き始めて4年目に、チームリーダーとなりました。リーダーになって最初の1年は何も分からないまま、チームをまとめることもできず、目の前の業務をこなすことで必死になっていました。
当時の上司から、「介護サービスとは何なのか」と繰り返し教えていただいたことで「生活援助とは、ただ食事や入浴の介助をすることではない」と気付き、「入居者を笑わせたい、施設の中でも日々を楽しんで過ごしてもらいたい」という思いを取り戻すことができました。こういった方針を、チームとして打ち出せていなかったからまとまらなかったと感じ、そのためにはどうすればいいのか等、考え方を変えるようになりました。
30歳を前にマネジメント業務へ、「遊びリテーション」を取り入れる

29歳になった頃に他の仕事もやってみたいと考えるようになり、将来の選択を考えていた時期がありました。迷っている時に、以前の上司だった現施設長からの誘いで長光園に異動し、1年後には介護主任となりました。施設全体の課題にあたっていくポジションで、事業計画に携わったり、担当者がきちんと業務をこなしているか確認したり、職員が働きやすい環境を整えています。業務がマネジメント中心となり、今の仕事をさらに面白いと思えるようになりました。
主任として大事にしたいことは、職員がアイデアや意見を言いやすく、笑顔の絶えない職場環境をつくることです。私自身の雰囲気は怖そうと言われることもあるので、職場では普段の自分とスイッチを切り替え、スタッフや利用者と明るく接しています。リーダーとして引っ張るだけでなく、後輩を育成していきたいです。
また、最近は様々な価値観のある多様性の時代と感じており、自分の考えを押しつけるのではなく、受容できるようになりたいと考えています。
今一番力を入れているのは、利用者の余暇時間を充実させることです。食事や入浴、排せつ、移乗などのケアやアプローチにはこれまで力を入れてきたのですが、毎日の余暇時間の充実にはこれまで取り組めていませんでした。
そこで「遊び」と「リハビリテーション」を組み合わせた「遊びリテーション」を実践しています。法人理念の「活力ある生命力の確立」を実現するために3年前から取り入れるようにしました。「通常のリハビリは辛い」という利用者にも好評となっています。
自分が好きな介護の仕事の魅力や知識を発信していきたい

いまだに介護はマイナスイメージが多いので、自分がやってきた仕事の価値を高めたい、魅力を知って欲しいと考えています。
例えば、認知症は有名な言葉になりましたが、実は正しく説明できる人は少ないです。初期段階のケア次第で症状の程度が変わるため、同じ介護職だけでなく、利用者の家族や地域の方にも知ってもらう機会をつくりたいと考えています。その機会を得るために、手始めとして、認知症の指導者認定を取得する「認知症介護指導者養成研修」を受けました。
今後の自分の役割として、10年後、20年後を見据え、施設の中だけでなく、地域のことにも目を向けて、介護について知識や魅力を発信していきたいと考えています。
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)とは?
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は、常に介護が必要な人を受け入れ、入浴や食事などの日常生活上の支援や機能訓練、暮らしのサポートをします。原則として、「要介護3」以上の人で、在宅生活が困難な人が入居しています。
社会福祉法人誠光会は、北九州エリアを中心に5つの施設を運営しています。人間尊重と活力ある生命力の確立を基本理念として、ご利用者の健康と安全に万全を尽くし、住み慣れた街でゆっくりと過ごしていただけるよう心がけています。福祉の理念を理解し、地域発展に貢献しています。