インタビュー

2022年3月1日 NEW

ご利用者の生活を支えるリハビリの仕事に 介護職も携わってもらいたい

私の介護の仕事 インタビュー動画

帆足裕平(ほあし・ゆうへい)さん 介護職歴11年 =社会医療法人青洲会 福岡青洲会病院通所リハビリセンター/短時間専門通所リハビリRink=


帆足裕平(ほあし・ゆうへい)さん

【プロフィール】
高校卒業後、専門学校で理学療法士を取得し、山口労災病院での勤務を経て、平成24年に福岡青洲会病院に入職。平成30年、福岡青洲会病院通所リハビリテーションセンターに配属、所長に就任。
 
【保有資格】
理学療法士
 
【キャリアアップ】

1年目 急性期運動器チームに配属
2年目 青洲会クリニック訪問リハビリに配属
3年目 回復期脳外科チームに配属
5年目 急性期脳外科チームに配属
6年目 福岡青洲会病院通所リハビリテーションセンター所長

ご利用者の生活を見据えたリハビリを行う

 高校の時に部活動でスポーツをしており、けがをした際に、理学療法士という職業を知りました。今後はサポートする側に回りたいと思い理学療法士の資格を取得できる専門学校に進学しました。学校に通っている時期に祖母が倒れ、退院後に理学療法士から支援を受けたと聞き、より一層目指す気持ちが強くなりました。 

 資格取得後は山口労災病院で様々な急性期の疾患を1年間学びました。翌年福岡青洲会病院に入職し、まずは急性期運動器チームで勤務していましたが、2年目に訪問リハビリに配属されました。訪問リハビリはご利用者の自宅や施設を訪問して、リハビリテーションを提供するものです。それまでは病院のリハビリだけでゴールだと思っていましたが、ご利用者の生活はその後もずっと続くことを知り、生活を見据えたリハビリが必要だと思うようになりました。
 

 自宅の環境や状況、生活背景を踏まえて、ご利用者に合った目標を決めて、リハビリのプログラムを考えるようになりました。例えば、転倒しやすい方には、転倒しないようにするためにはどうしたらいいのか、転倒した後にどう起き上がればいいか、自宅が移動手段の少ない環境にある方は、目的地までどうやって行けばいいか実際の行き方などを、具体的に考えています。

 また、粕屋町の介護予防教室で講師を務めたことで、介護予防に興味がわき、理学療法士として地域の住民を支えたいと思うようになりました。
 

ご利用者との細かいコミュニケーションをとれることもやりがいのひとつ

 平成30年に通所リハビリに異動となり、所長に就任しました。通所リハビリのご利用者は、要支援・要介護認定を受けている方が対象となります。介護保険サービスでのリハビリは、病院で毎日リハビリを行うのとは違い、介護度によっては週2回程度になり、回数の少なさにギャップを感じました。週2回程度では、なかなか身体機能の十分な回復は望めず、リハビリすることのハードルを感じていました。

 通所リハビリでは、「料理がしたい」や「近くまで出かけてみたい」などご利用者の希望や身体状況に合わせた身近な目標を設定することにしています。日常生活に沿った目標を設定することで、ご利用者はリハビリに意欲的に取り組み、目標を達成して、卒業していく方も多くいらっしゃいます。完全に体の回復ができなくても、ご利用者が自宅で安心して生活ができていると、やりがいを感じます。

 大切にしていることはご利用者との信頼関係を築くことです。コミュニケーションをとって、どんな希望があるかをくみ取っています。家庭での話を聞くためには、関係が構築されてないと踏み込めません。こういった細かいコミュニケーションはなかなか病院ではできませんので、通所リハビリならではの魅力を感じます。

介護職だからこそできるリハビリ

 通所リハビリの所長になり、看護や介護職とのコミュニケーションが必要となりました。これまでは他の職種との関わりが少なかったため、戸惑うことも多くありましたが、多職種のスタッフと積極的に話す機会を増やすようにして徐々に慣れていきました。

 現在のスタッフは、リハビリスタッフ4人、(理学療法士3人、作業療法士1人)、介護福祉士が1人、介護職1人、看護職1人となっています。介護職には期待しています。高齢者と身近に接してきた経験のある介護スタッフこそ、ご利用者の生活を見通したケアができると思います。介護職には集団での運動をはじめ、最終的な生活動作の確認や精神的なケアなどを行ってもらっています。介護の経験に医療的な知識を加えていってもらいたいと考えています。

 現状としては、介護職員が足りておらず、リハビリスタッフが中心となっている状況ですが、今後はリハビリと介護を連携し、介護職にも中心になって動いてもらいたいです。介護は「やってあげる」というイメージがあると思いますが、そうではなくてご利用者がいかに自分でできるかを支援するものと思っています。親身になって支えることができるとてもやりがいのある仕事だと思います。これからも所長として、職員がスキルアップをしながら、長く続けられる楽しい現場にしていきたいと考えています。
 

通所リハビリテーションとは?

 施設(介護老人保健施設、病院、診療所など)に通い、可能な限り自宅で自立した生活を送ることができるよう、入浴や食事などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで提供する介護保険サービスです。

 福岡青洲会病院通所リハビリテーションセンターは、ご利用者が住み慣れた場所で、いつまでも暮らし続けられるように支援しています。
 

施設概要

福岡青洲会病院 通所リハビリセンター/短時間専門通所リハビリRink            
〒811-2316 福岡県糟屋郡粕屋町長者原西4-11-8
TEL:092-939-0015
 

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