インタビュー

2020年12月1日 NEW

家庭の中のご利用者の支えになり、職員が安心して働ける環境をつくりたい

私の介護の仕事

福田輝和(ふくだ・てるかず)さん 介護職歴24年 =一般社団法人朝倉医師会 介護支援センター=


福田輝和(ふくだ・てるかず)さん

【プロフィール】
高校を卒業後、専門学校で理学療法士を取得し、病院、介護老人保健施設を経て、平成12年に朝倉医師会の介護老人保健施設アスピアに入職。平成19年より朝倉医師会病院リハビリテーション科に勤務。平成24年より朝倉医師会介護支援センターに勤務。
 
【保有資格】
理学療法士、介護支援専門員、相談支援専門員
 
【キャリアアップ】

1年目 介護老人保健施設アスピア 勤務
8年目 朝倉医師会病院リハビリテーション科 主任
13年目 介護支援センター 副センター長
15年目 介護支援センター センター長

実習をきっかけに在宅支援に携わることを目指す

 理学療法士の専門学校での実習で、訪問リハビリテーションを知り、退院後の患者様の家庭での生活に関わりたいと考えるようになりました。卒業後に病院に入職。1年後に朝倉医師会が在宅医療への事業に力を入れていることを知り一般社団法人朝倉医師会に入職しました。

 入職後は介護老人保健施設、訪問看護で、在宅医療についての勉強をしてきました。訪問業務は、ご利用者の些細な変化に気付き、判断することが求められるため、自身の責任が大きい業務です。そのため、医療的ケアの技術や知識を深めたいと考え、朝倉医師会病院のリハビリテーション科に異動しました。急性期のリハビリを経験したことで、聴診や視診、問診など一つ一つのデータの重要性を再認識しました。また、検査データの読み方や急変時の対応なども学ぶことができ、在宅医療を行う上で大切な知識や技術を身に着けることができました。

職員が安心して働くことができる体制を整える


 

 平成26年には介護支援センターのセンター長に就任しました。介護支援センターでは、「医師会ケアプラン」「訪問看護ステーション」「ヘルパーステーション」の3つの部門で在宅療養の支援をしています。今はマネジメント業務を行いながら、現場の訪問業務も兼務しています。最初は経営のことは全く分かりませんでしたが、法人のサポートを受けて半年間大学の経営コースに通いました。人事管理や経営管理の手法を学んだことが、今のマネジメント業務に役立っています。異業種の方と交流を持てたことも参考になりました。

 センター長として、方針がぶれないようにすること、明確な指示を出すことを心がけています。医師会会員の先生方からの要請に必ず応えられるように、ご利用者の支援を24時間対応できるように、さらに職員への負担が大きくならないように、人員体制を整える事に着手し、7年前は9人だった常勤を19人に増やしました。各部門の方針は、それぞれの管理者になるべく任せて、サポートに回るようにしています。「センター長がいるから安心して業務ができる」と言われることを目指しています。

 朝倉医師会の事業には、介護支援センターの他に、病院、看護学校、介護老人保健施設があります。3年前から4つの事業所が集まる事業所間会議を開き、医師会事業所として規約を統一しました。事業所間での連携も行われるようになり、孤立しがちな管理職同士で相談もできるようになりました。

介護職を目指す方に、在宅支援の魅力を知ってもらいたい


 

 地域の状況に合わせた事業の展開もこころがけています。朝倉市郡は病院や医院の数は多いものの、在宅支援が少ない地域です。地域の医療介護連携に少しでも貢献できるよう、地域ケア会議や地域ケア推進会議に参加し、介護認定審査会や障害者認定審査会の委員、福岡県理学療法士会や朝倉介護保険事業者協議会の理事を務めています。高齢者に加えて医療的ケア児の訪問看護や、障害者相談支援事業も必要とわかったので、新たに事業として取り組んでいます。

 センター長としての業務は忙しく、大変な面もありますが、現場でのご利用者との関わりや感謝の言葉を頂けることがやりがいにつながっています。ご利用者が家庭に帰ると、病院や施設にいる時には見られない家族の一員としての顔になり、病院と在宅での姿は、実際は全く違うことが多いです。素顔のご利用者に接することができることも魅力だと思います。

 高齢化率が高いこの地域では、様々な疾患を複数患っているご利用者が多いです。在宅支援は担当者一人の責任が大きく、年齢層も小児から高齢者までと幅広く支援が難しい事もあり、マンパワーが不足しているのが現状です。今後、地域包括ケアシステムが進むにつれて、ご利用者が自宅で生活するのに、大きな役割を担う分野です。これから介護職を目指す方にも、いずれは在宅支援を目指していただければ嬉しいですね。

訪問介護とは?

 在宅で介護を必要とする高齢者の自宅に訪問介護員(ホームヘルパー)を派遣して、日常生活の支援を行う在宅サービス。サービスには身体介護と生活援助があり、身体介護はご利用者の身体に直接触れて行う介助サービスで、食事介助や入浴や排せつの介助など。生活援助は、調理や洗濯などの家事、買い物などの日常生活上の世話を行います。
 
 朝倉医師会介護支援センターは、居宅介護事業所、訪問看護ステーション、ヘルパーステーションの3事業所が所属している朝倉医師会の在宅支援部門です。朝倉医師会の在宅医と密な連携を行い、在宅療養についての支援を行います。

施設概要

一般社団法人朝倉医師会 朝倉医師会介護支援センター

〒838-0069
福岡県朝倉市来春422-1
電話:0946-24-0809