「寄り添う介護ができた」とうれしい気持ちがこみ上げてくる瞬間がある。この喜びが介護の仕事の醍醐味です
私の介護の仕事
中島佐稚子(なかしま・さちこ)さん 介護職歴8年 ー 株式会社ケアリング ー
【プロフィール】
子育てがひと段落したのをきっかけに、ヘルパー2級(現:介護職員初任者研修)の資格を取得し、介護現場へ。平成21年、株式会社ケアリングで非常勤の登録ヘルパーとして働きはじめ、翌年には正社員。訪問介護事業の管理者を経て、平成25年から株式会社ケアリング西福岡支店の支店長を務めている。
【保有資格】
ヘルパー2級(現:介護職員初任者研修)、介護福祉士(国家資格)
【 キャリアアップ 】
1年目 | 非常勤ヘルパー |
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2年目 | 正社員→サービス提供責任者→主任 |
4年目 | 護福祉士の資格取得、管理者 |
5年目 | 支店長 |
主婦業で培った「家事力」を生かしたいと介護の現場へ
実は、私の母親も訪問介護の仕事をしていました。母は、ベッドから落ちて起き上がれないと連絡があれば、夜中でも利用者宅に駆け付けていました。子ども心に大変さを感じていたので、「介護の仕事は嫌だ」と思っていたのです。
ただ、3人目の子どもが幼稚園に入るのをきっかけに仕事を始めようと思った時、私に何ができるのか、長年の「家事力」が生かせる仕事は?と考え、真っ先に頭に浮かんだのが介護の仕事です。
最初は、非常勤で週に4日だけ働きました。子どもを幼稚園に預かってもらっているとはいえ、いつ呼び出しがあるか分かりません。職場に迷惑を掛けないようにと気配りもしていたのですが、周囲には、同じように子育て中の人や、親の介護をしながら働いている同僚が多く、「お互い様」という雰囲気が職場にあふれていました。
そんな職場だったので、1年後に正社員として常勤で働かないかと誘われた時は、安心して「はい」と応えることができました。
ありのままの生活に触れる訪問介護員は、利用者に近い存在
訪問介護は、直接、利用者の家に入って、身体介護や家事援助などのサービスを提供します。利用者は、今の生活を少しでもよくしたいとお金を払って介護サービスを受けているので、「何でもしてもらえる」と思いがちです。また私たち訪問介護員も、「やってあげたい」とつい、手を出してしまうのですが、実は、それでは利用者の自立支援にはつながらないのです。
介護サービスは、ケアマネジャーが立てたケアプランに沿って、サービスを提供します。ケアプランは、利用者が少しでも自立できるよう支援することを目的に作られているので、「できる部分は任せる」ことが大切で、過剰なサービス提供は本人にとってマイナスです。
訪問介護員は、家の中に入ってありのままの生活に触れている分、利用者に一番近い存在だと私は思います。外向きではない、本音の部分をさらけ出していただいているのです。だからこそ、訪問介護員は、利用者とケアマネのパイプ役にならなければいけません。もし、ケアプランが利用者の自立支援につながっていなければ、ケアマネに意見するくらいのプロ意識を持つことが大切です。
ミスこそ、最大のチャンス」 捉え方一つで前向きになれる
非常勤から正社員、管理者、支店長と責任ある立場になるにつれ、人に動いてもらうことの難しさを痛感しています。どう指示を出せばいいのか、タイミングや伝え方の工夫など、日々、勉強です。
現場ではいろんな課題があります。利用者への対応、現場スタッフとの調整などストレスを感じることもありますが、朝起きると「よし!」と気合が入ります。たとえ、ミスがあったとしても「ミスこそ、最大のチャンス」と、捉え方を変えれば、前向きにもなれます。
訪問介護サービスは、自宅での暮らしを支える仕事です。最期まで自分の足でトイレまで行きたいと話す利用者を支えることができたとき、末期がんの利用者を自宅で懸命に介護している家族に頼られたとき、寄り添える介護ができたのではないかとうれしい気持ちがこみ上げてきます。この喜びが、介護の仕事の醍醐味です。
訪問介護サービスとは?
訪問介護サービスは、介護福祉士や訪問介護員が、利用者の自宅等に出向いて、身体の清拭やおむつ交換などの「身体介護」、料理や洗濯などの「生活援助」のサービスを提供します。
株式会社ケアリング(本社:福岡市博多区)は、在宅介護を通して、「こころといのちを繋ぎ」「利用者とご家族を繋ぐ」「住み慣れた地域を繋ぐ」ことを理念としてサービスを提供しています。西福岡支店では、訪問介護事業と居宅介護支援事業の2つの事業を行っています。
施設概要
株式会社ケアリング 西福岡支店
〒819-0043
福岡市西区野方1丁目15-4 藤ビル1階
電話:092-894-8877