介護は自分自身を成長させてくれる仕事。感謝の気持ちで日々の仕事に励んでいます
私の介護の仕事
光武祐一郎(みつたけ・ゆういちろう)さん(介護職歴11年)ー グループホームさわやかテラス春日 ー
【プロフィル】
大学(経済学部)を卒業後、一般企業に就職。営業職として数字に追われる日々に疑問を感じ、1年で退職。1年間専門学校に通い、社会福祉を学んだ後、介護職に転身
【保有資格】
介護福祉士(国家資格)、認知症ケア専門士(一般社団法人日本認知症ケア学会認定資格)
【キャリアアップ】
1年目~3年目 | 介護職 |
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3年目~4年半 | チームリーダー |
4年半~5年半 | 責任者補佐 |
5年半~ | 責任者 |
一生をかけて取り組める仕事を求め転身
私は大学を卒業後、一般企業で働きました。
営業職だったので数字に追われる毎日にふと、「一生をかけて取り組む仕事だろうか」と、疑問を感じました。
自分の人生をあらためて見つめ直したとき、三世代で祖父母と暮らした幼い頃のゆったりとした時間を思い出し、思い切って介護職に転身しようと、わずか1年で会社を辞め、福祉を学ぶために専門学校に1年間通いました。
『あるがままに楽しくゆったりと』暮す理念に共感
この事業所を選んだのは、『あるがままに楽しくゆったりと』という会社の理念に共感したからです。グループホームは1ユニット9名で、家庭的な雰囲気の中で介護サービスを提供します。大規模施設では入浴時間などのスケジュールが決まっていますが、ここでは細かい決まりはありません。本当にゆったりと時間が流れます。
入居者は、朝は目が覚めた時間に起き、好きな時間に食事をします。玄関には鍵をかけないので、散歩も自由。日に何度も散歩をされる方もいますが、常にスタッフが見守り、一緒に付き添います。地域の方とはすっかり顔なじみになり、よく声も掛けていただきます。自由度が高い分、スタッフの支援に柔軟性が求められますが、入居者の笑顔や家族からの「ありがとう」という温かい言葉、そして地域の方からの「頑張っているね」の一言に励まされます。
介護は人を成長させてくれる仕事
ここでは看取り介護も行っています。多くの方が病院で亡くなるよりも、住み慣れた場所で親しい人たちに囲まれて最後の瞬間を迎えたいと願っているはずです。その願いを実現しようと開設当初から取り組んでいます。たとえ寝たきりになっても、台所で野菜を刻む音や人の話し声が聞こえるように、居間に一番近いスタッフルームを一時的に居室に変えて対応しています。生活の音が聞こえるとホッとするのか、利用者も穏やかな表情になります。
人の最期の瞬間に立ち会える仕事は、そう多くありません。私自身、介護の仕事を始めたころは、ひたすら「ありがとう」の言葉を待っていましたが、看取り介護などを通して、利用者の尊厳や信頼関係を築くことの大切さにあらためて気づくことができました。今は、利用者や家族に対して、心の底から「ありがとうございます」という感謝の気持ちでいっぱいです。介護は、「自分自身を成長させてくれる仕事」。この11年間で実感したことです。
町全体を安心して暮らせる場所に
今後の目標は、より専門性を高め、地域づくりにも参画していくことです。そのために認知症ケア専門士の資格取得にも挑戦しました。同じ市内の同業者や行政と共同で、認知症サポーター養成講座や声かけ模擬試験などを開催し、地域の人に対して認知症の理解を深める活動にも取り組んでいます。地域全体を安心して暮らせる場所にするためには、仲間が必要です。若い人だけではなく、退職後の第二の人生を模索している人など様々な年代の方に、介護の仕事に関心を持ってもらいたいですね。
光武さんが働くグループホームってこんなこと
グループホーム(認知症対応型生活介護)は、認知症の人が対象の“生活の場”です。認知症の人が家庭的な環境の中で、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活の中での機能訓練を受けます。
株式会社ウェルフェアネットは、春日市と大野城市、筑紫野市で、4つのグループホームと3つの小規模多機能型居宅介護施設を運営しています。さわやかテラス春日は、2ユニット18名の高齢者が暮らしています。同ホームでは、その人らしい暮らしを叶えるために昼間、建物の施錠はしていません。介護スタッフは入居者に寄り添いながら、最期までその人らしい暮らしを支えています。
施設概要
株式会社ウェルフェアネット
グループホーム「さわやかテラス春日」
〒816-0863 福岡県春日市須玖南1丁目91番地
電話:092-588-3307